富士登山を安全にするために必要な装備と心構え
毎年増加傾向にある富士登山者ですが、遭難・死亡例も増加傾向の模様。
寒い冬に事故があるという訳ではなく、一般登山者に富士山解禁となるまさに今の季節にもやはり遭難、死亡例が後を絶たないというだから注意が必要です。
世界文化遺産登録でますます身近になったとは言え4000m近い標高の山であることに変わりないこと、また装備に問題がある場合も多々ある模様。
本日(7月20日)付けNHK深読みで安易に考えると危険!富士登山に対する警鐘を特集していました。以下、番組で紹介された富士登山を安全にする内容を元に、富士登山のために意識しておきたいこをまとめてみました。
1.高山病になる可能性がある。
高山病について話すと長くなるため別の機会としますが富士登山の場合、3000メートルを超える高所である為、誰もが高山病になる可能性があります。
まずは高山病にならないことが大切。
そのためには日頃の体調管理が大切。暑い日が続きますが、登山前日はゆっくり寝た程度では実は疲れは取れていません。暑さによる慢性的な睡眠不足など原因で体力は相当消耗しているのことがあります。体調管理は一日にしてならず、やはり日頃からの体調管理が大切です。
実際に症状が現れてからの対処ですが、脅かすようで申し訳ないのですが、単なる頭痛より症状が進むと吐き気、更に進むとほんの数歩さえ歩けなくなるほど重篤な症状に陥ります。
高山病になったら下山あるのみ。無理は禁物です。
とは言えツアー参加や友だち連れで富士登山する場合「自分一人、体調不良になったからといって単独行動はできない」と心配する人もいるかも知れません。
高山病に限ったことではないのですが、友だち家族で行く場合は、メンバーの体調が悪くなった場合、どうするのか、予め話し合って決めておく、シュミレーションすることはとても大切です。
また富士登山初心者の方でツアーなど利用して富士登山する場合「高山病になった場合の対処」を予めツアー会社に聞いて置くと安心です。
「考えていない。」「少しくらいの高山病は大丈夫ですよ。」なんて回答があるようであれば、私だったらツアー参加を見送ります。
2.気温が高い夏でも風によって体温が下がる。
Point! 富士山は独立峰であるため風が強い。
富士山の場合、独立峰のため、周りに遮るものがなく、強風に長く晒されることによって体温が低下していくそうです。
暑い夏の盛りの登山とは言え、標高が高くなればそれなりに気温が下がること。更に風の影響を強く受ける富士山は気が付かない内に低体温になっていた!ということがないように細心の注意が必要です。
強い風から実を守る方法:雨具(レインウエア)を利用する。
NHK番組では風による気温低下を防ぐ方法として雨具(レインウエア)の利用について紹介していました。
登山専用の雨具(レインウエア)は水をしっかり弾きますが、同時にカラダに風が直接当たることを防いでくれる為に便利とのこと。
富士登山に限らず登山で使う雨具(レインウエア)とは、いわゆるビニール製の簡易式の雨合羽のことではなく登山専門店で売られている登山専用の雨具(レインウエア)のことを指します。
メジャーな登山専用雨具(レインウエア)であればまず問題ないと思いますが、ポイントとしては以下の通りになります。
Point! 雨具(レインウエア)内部に風が吹きこまない様に、袖口、フード、裾部分を絞ることができるものを選ぶこと。
各所を締めることによって、雨具(レインウエア)がカラダに密着して内部に風が入り込むことを防いでくれます。
一方で、安値で売られている簡易式のビニール合羽(雨具)の場合、下から風が吹き込んでしまうためNG。下からの風(レインウエア)が吹き上がり風に煽られて易いこと。場合によって下から引っ張られる形となり転倒・転落の恐れもあるそうです。

CheckPoint :レインウエアのズボン裾部分を絞ることができるか?

CheckPoint: レインウエアのズボン:ウエスト部を絞ることができるか?

CheckPoint :フードはしっかり顔・アタマに密着させることができるか?

CheckPoint :手首部分にレインウエアを密着させることができるか?

CheckPoint :ファスナー部より水や風が入り込まないか?二重になっていればOK

CheckPoint :レインウエア上着の裾は絞ることができるか?
【参考】昨年、登山用雨具(レインウエア)を新調、ミズノレインウエアを利用しています。購入した際に細部チェックした様子をレビュー記事にまとめました。 ⇒ ミズノ「レインスーツ」を買ってみた:商品レビュー
1万円台と価格が安い中では、防水、防湿機能面から見て海外製品で2~3万円する雨具(レインウエア)と機能がは変わりないためオススメです。
3.砂礫が多く滑りやすい。
「足が滑りやすい。」
「砂埃がすごくてマスクは必須」
一度でも富士山を登ったことがある人から口に出る言葉です。
溶岩が固まって出来た山道は砂礫(されき)となっていて、山登りに慣れた人であっても簡単に足を取られたり滑らせることになるそうです。
対策としては足のくるぶしまでしっかりホールド、保護してくれる登山靴を履くこと。
スニーカーのようにくるぶしが守られていない靴の場合、2cm程度の段差であっても非常に不安定で、捻挫の原因になるとのこと。
一方でくるぶしまで保護された登山靴の場合、靴底面が硬いため僅かな段差であれば真っ直ぐ平らなところに立っていのと同程度まで落差、負担を軽減してくれます。

▲くるぶしまで保護してくれるタイプの登山靴

▲履きやすいもののくるぶしが保護されていないため捻挫しやすいスニーカー。
その他、あると便利な道具
登山に必要な道具についても話が長くなるので別の機会としますが、雨具(レインウエア)の他にも富士登山に特化して考えた場合、是非、用意した道具としては以下の通り
- ヘッドライト
- 体温保温シート
- 砂埃が口から入ることを予防してくれるもの(マスクなど)
- スパッツ
- ストック
1,2についてはNHKで紹介されていました。自分の命を守るという意味でとても大切なものの1つです。
3~5については富士登山にあればベターと思えるものです。3.マスクは、砂礫が多い道を歩く内、鼻や口の中にも埃を多く吸い込むため。4.スパッツは、やはり砂礫(されき)が登山靴の中まで入ってくるのを防ぐため。5.ストックは長い下りで膝を傷めないためにあると便利な道具になります。
いずれも登山に必要な基本的な道具は含まれていないため、ガイドブックなどに書かれている持ち物チェックシートをチェックなどで確認して下さいね。
登山家の大蔵氏

NHK「深読み」番組内でアドバイザーとして登場していた男性は登山家の大蔵氏。
今春よりミズノより本格始動したアウトドアスクールに参加させていただいているのだけど、スクール校長先生としてご一緒させて頂きました。山の中の山男という形容がぴったりの、とても頼りになる人物です。
最後に大蔵さんの言っていた言葉が印象的でした。
「富士山は日本の心の山。登らせてもらっているという謙虚な気持ちを忘れないことが大切です。」
富士山の天気は豹変したら本当に怖いものなので、少しでも心配なことがあったら「引き返す」ことが何より大切だと。
写真:登山家大蔵氏同行で伊豆方面までミズノアウトドアスクールへ参加してきた様子を撮影。
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